Stockmark Tech Blog

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chibivueを社内勉強会を開催して学んだらとても良かった。社内勉強会はいいぞ

社内勉強会はいいぞ!とても!!

熱量が高めの見出しから失礼します。ストックマークの技術広報をしている安藤( @ampersand_xyz )です。

本記事ではストックマークのエンジニアチームで実施したThe chibivue bookの勉強会について、どのように実施したか、どういった効果が得られたかをお届けします。

ubugeeei.github.io

社内勉強会をやるまで

きっかけはフロントエンド技術のキャッチアップ

ストックマークではVue.jsをフロントエンドの開発に使用していますが、Vueの開発知識は入社してからキャッチアップ、という形で入社するエンジニアも多くいます。

入社当時Vueの開発が未経験だった羽柴さん( @baan_nasebanaru )が私を含めた同期入社のエンジニアメンバー宛てにVueの勉強会を提案してくれたことがきっかけでした。

きっかけとなったSlackのログ

Vueの勉強をするには何が良いのかを、Vueのリファレンスを読む?VueUseとかを見てみる?などいくつか案を出して検討した中で、最も良さそう!となったのが、ubugeeeiさんが作成しているThe chibivue bookを順番にモブプロしていく形の勉強会でした。

先輩たちが作ってくれていた社内勉強会の文化

ストックマークでは過去にも週次の勉強会などが開催されていたという実績もあり、工数を大きく使いすぎたり実務が止まったりするなどでなければ大いに勉強会をやってOK!という形になっていました。

とはいえ前向きな取り組みについては概ねやっていいよ、という姿勢の開発組織であり、こういった取り組みについて基本的に歓迎されています。

毎週金曜日に13時から1時間の枠を設けて、任意参加の形でこの勉強会も実施されることになりました。

勉強会の準備

実施内容・計画の作成と組織内への共有

実施することが決まったら、次はどのように勉強会を行うのか、という話になりますが、羽柴さんがバリバリっと実行計画を作成し、開発組織への共有を行ってくれました。

当時作成されたnotionの一部

これにより、具体的な実施要項が伝達されたことで複数の開発チームを跨いだメンバーが参加しやすい形となりました。

Slackのチャンネルを作成

勉強会で会話したことがログに残るようにと、オンラインで実施する形式上、複数人が音声で話す形にすると限られた時間ではテンポが悪くなることが予想されたため、Slackで勉強会用のチャンネルを作成しました。

勉強会の実施

実施時の様子

その日のファシリテーターが画面共有を行い、chibivueのbookを読み上げながらコードを写経していきます。同時に、写経対象の部分のコードがどのような動きをしているかというのを追っていくことで、どのようにVueが動作しているのかの理解を深めていきます。

Slackではその日ごとのスレッドを作って、ファシリテータが話しているときに、わかったことや気になったこと、良く分からなかった部分などをカジュアルに投稿して、時折ファシリテータが拾い上げて深堀りをしたり、分からなかったことを参加者同士で教え合ったりという形での運用を行っていました。

このフォーマットは非常に良い感じにワークしたため、現行行われている別の社内勉強会でもやり方が引き継がれています。

内容の記録

これも持ち回り制で、1名 その日の実施内容の記録担当者になり、notionに解説や理解につながった内容をメモしていました。 これにより、復習のほか、その日のタイミングが合わず参加出来なかった人が画面共有の録画とあわせて参照してキャッチアップに使用したりということが可能になっていました。

復習会の実施

ファシリテータの技術理解度が高い場合の進行で、1時間のうちでは別のメンバーの理解が追いつかないままになってしまう回などが発生することがありました。

これも、復習を兼ねてもう一度同じところを丁寧になぞり直すキャッチアップの会が希望に応じて開催され、かなり心理的安全度が高い状態で勉強会が行われていました。

勉強会をやった結果

Vueがどのように動いているのか?という知見を深めるという当初の目的について、参加者ごとの程度差はあると思われるものの、少なくとも自分も参加者のひとりとして確実に技術的な実りがあったと言い切れます。

人によって、今までVueがどんな動きで実現していたのかが気になっていたところが解消されたりなど、めちゃくちゃスッキリ!

また、この勉強会ののち、Vue.js未経験だった羽柴さんはマジでバキバキに仕上がっており、すげぇ…となりました。同僚として行動力の高さと実行力を非常に尊敬しています。

また、作者のubugeeeiさんを勉強会にお招きしてお話する機会を得たりや、このThe chibivue book内でViteにも触れたことをきっかけに、参加メンバーによるViteのプラグインを作った話での登壇が行われたり(更にそれがきっかけでこの取り組みについてを外部の方に知っていただくきっかけを得たり)と、今後も良い形でのこの取り組みの影響lによる伏線回収が行われるような気がしています。

やってみてわかった社内勉強会をするときに大事なこと

今回、社内勉強会としての体験は概ねとても良かったと感じていますが、その要因を振り返ってみると、以下の3つに大別できるのではないかと思います。

  • 動機を明確に持つ=目的をハッキリ持つ
  • ちょうど良い教材を探す
  • 実施の期間を決める

振り返ってみたと書きましたが、この勉強会を主催してくれた羽柴さんの企画設計力・行動力が前段にあり、それを見つめ直してみた、というような感じです。

動機を明確に持つ=目的をハッキリ持つ

めちゃくちゃ当たり前ではあるのですが、当たり前のことを踏まえるのが大事だと思いあえて書き出しています。

なんとなく「社内勉強会って良さそうだからやってみよう」というワナビー・漫然としたスタートした形ではなく、勉強会をする目的が先にあったという部分が大きかったのではないかと思います。

これによって、実施するコンテンツの選定が明確になるということも良かったポイントかもしれません。

ちょうどよい教材を探す

今回はThe chibivue bookを使用させていただきましたが、目的に沿った丁度よい教材を用意することが大事なのかもしれません。目的と参加者に合わせたレベルに調整することや、実施可能な範囲を絞るということもあっても良いのでは、と思います(例えば、ある参考書の1部分の章だけを行うなど)。

逆に、教材から目的を見出すという形になってもそれはそれで良いのではないかと思います。ちなみに、現在はABOUT FACE インタラクションデザインの本質の日本語訳の第4版の完全邦訳版の発刊をきっかけとして、知見のあるデザイナーが主導する形でのインタラクションデザインの勉強会を社外の方もお招きしてエンジニアとデザイナーを交えて毎週開催されています

実施の期間を決める

膨大なボリュームの教材を相手にしたり、区切りになるタイミングを設けなかったとしたら「これいつまでやるんですか…?」という感じでボンヤリと消滅してしまうような流れが発生してしまったのではと予想されます(これはIFの話なので、実際に期限がなかったらどうなっていたかは分かりませんが、回数を重ねて参考になる教材がなくなったりするなどで目的に対して学習内容の密度が薄くなっていくと、各位が勉強会の時間より実務の時間に充てるという動きになったんじゃないかと思います)。

教材のボリュームから逆算し、だいたい何ヶ月の間実施しようという形で最初に期間を計画したため、そこに会の一旦の区切りになるタイミングがあり、そこで同時に取り組みに対して評価する事を出来ることそのものが良かったことかと思います。

「振り返り」と「何を得たか」ということを考えることで、今後同様の取り組みをするときの改善点の洗い出しや、個人として復習すべき内容が明確になったりなど、漫然と続けないでタイミングを区切ったからこその部分だったかと思います。

逆に、定例のような形で決まったときに「この時間は勉強の時間!」と決めるような形のものもあって良いと思いますし、現にストックマークにも月に一度の研究日という文化があり、毎週第1水曜日をプロダクトのコードを深堀りしたり、実験的な機能を入れてみたり、気になる技術を調べたり、参考書を読んだり…という丸一日の時間を自由に技術のことについて触るという取り組みがあります。

こういった定例的な形の学習の取り組みについては、目的ベースではない形にするのが長く続けられるのではないか、と個人的に思っています。

社外の方も参加できるchibivue勉強会を企画しています

今回の取り組みが非常によかったので、もう一週chibivueを走りがてら、社外の方もお招きしてもっとオープンに実施していこうという形で企画しています🏃💨

Slackの代わりにオープンなDiscordを用意してワイワイ勉強できる場所を用意する予定です。

詳細はStockmarkの技術用Xアカウント ( @Stockmark_Tech ) などからお知らせ予定です。

結びに

本記事では社内勉強会はいいぞ、ということをお伝えしつつ、同僚自慢をさせていただきました。

ストックマークがどんな感じか、より詳しく知りたいなとおもったらぜひカジュアル面談からお気軽にご連絡ください🐿️